#13【時間術】夜編 運動&睡眠リセット術 #神・時間術⑤
前回は昼の時間術を紹介しました。
今回は夜編です!
「脳のゴールデンタイム」について説明しましたが、夜の時間術を使うと「第二のゴールデンタイム」を作ることができます。
また、「寝る前2時間」の過ごし方で翌朝100%の集中力を出せるかが決まります。
「夜の時間の使い方」、一緒に見直してみませんか?
運動リセット術
1日を2倍活用する方法
「1日を2倍活用できる」究極の時間術があります。
1日は24時間、これは全員共通で、「1日を2倍活用する」というのは常識的に不可能です。
ですが裏技があります。
起床後2~3時間は「脳のゴールデンタイム」、脳がフレッシュな状態で、非常に集中力が高く、質の高い仕事ができる時間帯です。
もしも一日の途中で、脳を起床直後と同じ状態にできる方法があれば、ゴールデンタイムを2回活用することがでい、1日を2倍活用しているといえますね。
1日を2倍活用する脳の究極のリセット法、それが「運動リセット術」です!
午後の疲れてきた時間帯に1時間ほど有酸素運動を行うと、驚くほど頭がスッキリし、朝同様の状態を味わえます。
これだけでは運動の効果を信じてもらえないので、樺沢先生は次のような運動の脳に及ぼす7つのメリットを挙げています。
運動が脳に良い科学的な根拠
①海馬の神経を増やし長期記憶を強化する
BDNF(脳由来神経栄養因子)が分泌され、神経細胞の増殖を促進する。
②脳を育てる
脳の容積、シナプスのネットワークが増える。
③運動直後から学習機能がアップする
運動直後より認識の柔軟性(遂行機能)、学習能力が向上した。
④頭が良くなる
「運動する人」と「運動しない人」を比べると、長期記憶、推論、注意、問題解決、 流動性知能について「運動する人」のほうが成績が高かった。
⑤作業記憶がよくなる
運動前と後では作業記憶(ワーキングメモリ)のテスト結果が50%以上改善した。
⑥ぐっすり眠れる
週に150分以上の運動で睡眠の質は65%アップする。日中の眠気レベルも65%下がり、疲労感、集中力が45%改善する。
⑦やる気が高まる
運動をするとすぐにモチベーション物質であるドーパミンが分泌される。
このように運動は最強のリフレッシュであるとともに、脳のパフォーマンスを高める最高の脳トレといえるでしょう。
やりすぎには注意!
「運動リセット術」には1つ気をつけることがあります。
それは「やりすぎ」です。
脳を活性化させる最適な運動時間は60~90分ほどで、それ以上運動すると、身体がだるくなったり、お腹が空いたり、眠くなったりと仕事どころではなくなってしまいます。
適切な運動は脳と身体をチューニングしますが、過剰な運動をすると「身体の回復」が最優先され脳にエネルギーを回す余裕がなくなります。
その結果、集中力が下がり、食欲がわき、眠気に襲われるといった疲労の徴候が出るのです。
「集中力リセット」のための運動では激しい運動を長時間すればよいのでなく、「適切な運動量」でやめておく事が重要です。
睡眠に良い生活習慣
睡眠は人生を決める
ここまで集中力をリセットする方法をいろいろ紹介してきましたが、集中力リセット術でいちばん重要なのは「睡眠」です。
良い睡眠をとることで翌朝100%の状態で1日のスタートを切れるのです。
十分な時間寝られなかったり、眠りが浅くて何度も夜中に目覚めるようでは、朝起きても頭がぼーっとします。
集中力が70~80%くらいしか回復していないとすると、その日の仕事は20~30%減った状態からスタートすることになります。
朝起きるときの生活習慣で「1日」が決まりますが、寝るときの生活習慣で「人生」が決まります。
睡眠不足は集中力の最大の敵であり、睡眠時間を削って仕事をするなど「愚の骨頂」です。
「寝る前2時間」の過ごしかた
睡眠の重要性が分かりましたか?
では、どうすれば最高の睡眠を手に入れることができるのでしょうか。
それは「寝る前2時間」の生活習慣が関わっています。
寝る前2時間にやってはいけないこと
寝る前にやってはいけないことは「食事」「飲酒」「激しい運動」「熱い風呂」「視覚系娯楽(テレビ・ゲームなど)」「光るものを見る(スマホ・パソコン・テレビ)」「明るい場所で過ごす」などです。
質の良い睡眠をするためには、日中活動するための「交感神経」から、夜に身体を休めるための「副交感神経」に切り替える必要があります。
眠気が出ない、目が冴えている、心臓がドキドキしている、などはすべて交感神経が活発な状態のサインです。
そんな状態で無理に寝ようとしても身体も脳も休まりません。
寝る前にすべきでない行動をいくつか挙げましたが、特に注意すべきが「寝る前2時間以内の食事」です。
食事をすると成長ホルモンが分泌されません。
成長ホルモンは血糖を上昇させる作用や疲労回復作用があり、空腹の時に分泌されやすく、満腹状態ではほとんど分泌されません。
成長ホルモン分泌されないと睡眠で疲労回復が十分にできず、翌朝に疲れが残ってしまいます。
7~8時間寝ているのに疲れがとれない人は、「寝る前に食事をしている」ケースが多いので注意しましょう。
寝る前2時間にやるとよいこと
寝る前にやると良いこと、それは「ゆったりとした時間」「リラックスした時間」を持つことです。
例えば、音楽やアロマなど非視覚系娯楽やペットと遊んだり、ぬるめのお風呂に入る、読書などですね。
交感神経から副交感神経に切り替えるためにはクールダウンの時間が必要です。
寝る前2時間をのんびり過ごせれば自然に交感神経から副交感神経へ切り替え、ぐっすり眠ることができるのです。
寝る15分活用術
寝る前15分は記憶のゴールデンタイムである
起床後2時間は「脳のゴールデンタイム」ですが、脳にはもう一つ、「記憶のゴールデンタイム」があります。
それが寝る前15分です。
寝る前に記憶したことは、1日の中で最も記憶に残りやすいのです。
試験勉強や暗記系の勉強をしている人にとって、寝る前「15分」は日中の「1時間」に匹敵します。
その理由は寝る前に暗記してそのまま布団に直行して寝ると、「記憶の衝突」が起こらないからです。
何かを暗記してから余計な情報を脳に入れると、脳が混乱し、睡眠中の情報の整理、記憶の定着に影響が出ます。 これが記憶の衝突です。
寝る前15分に記憶したことは、他の情報と衝突しないためそのまま記憶に残るというわけです。
寝る前にテレビは見るな
朝の時間術を紹介した際、朝起きたときにテレビを見ると、脳の中をごちゃまぜにしてしまい「ゴールデンタイム」が吹き飛ぶといいましたが、寝る前のテレビも同じです。
光刺激で交感神経が活性化し睡眠の質が下がるだけでなく、頭の中をごちゃごちゃにして「記憶の衝突」を最大化してしまいます。
寝る前にテレビを見るのは絶対にやめましょう。
寝る前にネガティブなことを考えるな
余談ですが、あなたは寝る前に何を考えて寝ますか?
多くの人が「今日あったつらいこと」「仕事で失敗したこと」などを思い出すでしょう。
寝る前15分は「記憶のゴールデンタイム」です。
つまり、ネガティブなことを考えながら眠ると、それも強烈に記憶に残ってしまうのです。
これを続けると頭の中がマイナスな内容で埋め尽くされてしまい、自尊感情が下がり、自分に自信を持てなくなってしまいます。
「人間は寝る前に考えた人間になる」という言葉がありますが、心理学的に正しいのです。
寝る前の人間は「特別無条件同化暗示感受性」という状態にあり、寝る前に考えたことが潜在意識の中に入ってきやすいのです。
寝る前にネガティブな内容を考えるのはやめておきましょう。
今日のまとめ
いかがだったでしょうか。
今回は夜の時間術として
「運動リセット術」「睡眠に良い生活習慣」「寝る前15分活用術」について紹介しました。
夕方、疲れが出てきたとしても、1時間運動をするだけで「ゴールデンタイム」をもう一度活用できるってすごくないですか?
夜の時間の使い方で睡眠の質が大きく変わるだけでなく、あなたの人生も変わってしまうんでしたね。
あと、暗記系の勉強をしている人!寝る前の15分、大切にしてくださいね。
今日で「神・時間術」に関する内容は以上です。
詳しくは樺沢紫苑先生の「脳のパフォーマンスを最大まで引き出す 神・時間術(大和書房)」に書かれています。
気になる方は読んでみてください。
ここまで読んでいただきありがとうございました。